福山ピカデリー「けいおん!ライブスタイル上映」(通称、福山絶叫)に行ってみた。(映画ネタバレあり)

「絶叫イベント」「ライブスタイル」
それは、アニメ映画の究極の楽しみ方である。

映画のシーンに合わせて、叫んだり、ツッコミを入れたり、キャラへの愛をぶちまけたり。
各々が会場全体と一体化して、全身でそのアニメを楽しむのだ。


ただ、そういうイベントは大体大都市圏で行われるもの。
それを福山という一地方都市でやってしまおうというイッちまってるナイスな企画を立てたのが、以前も紹介したけいおん!大好きピカデリー劇場である。



今回ライブスタイルで上映される映画はもちろんけいおん!!


しかも今回は、立川シネマシティで先だって行われた「ライブスタイル上映」にも参加した猛者たちがはるばるこの福山にまで参戦してくると言うのだから、期待はいやが上にもたかまろうというもの。


今回は、そんな福山ライブスタイル上映の模様を(やや箇条書き気味に)レポしたいと思う。




いつものピカデリー劇場。
今やってるアニメ映画はけいおん!ドラえもん
上映内容は(この映画館的には)至って普通である。


ここに来るまでの間に、立川から律ちゃんのでかいぬいぐるみ(以下デカぐるみ)を抱えてやってきたカミーユさんや、地元参加の方々とも合流した。
もう少ししたら、車で来る遠征組の人とも合流するのだという。


特に、カミーユさんを始めとする人々はかの立川ライブスタイル上映に既に参戦したこともある猛者たち。
一体どんなパフォーマンスをしてくれるのか。
否が応に期待は高まろうというもの。


そして彼ら遠征組は颯爽とピカデリーにやってきた。
当然のごとく唯と梓のデカぐるみを担いで、である。

さすが遠征組!俺達にできないことを平然とやってのけるっ!
そこにシビれるあこがれるゥ!


この行為についてカミーユさんは「旅の恥はかき捨て」と言っていたが、正しくそうであるといえるだろう。


開演1時間前

ピカデリーについた頃にちょうど列の形成が始まったため、そのまま階段下の踊り場で待機。

だが、気合の入った遠征組はここで開演までゆるゆるとけいおん!トークをくり広げる…と、いうようなことにはならない


まず、何を思うたかデカぐるみがゴミ箱の上に鎮座。


そしてお定まりのように貼られたヨーロッパ。
唯だけでええやないか!というツッコミはここでは無粋なだけである。


その様子を撮影しようとする人々がその周りを取り囲む。
基本的に撮影禁止のこのイベントでは数少ないシャッターチャンスだった。


それらが落ち着いてきたら、今度は劇中に出てきた寿司ハッピを装着したり、スーツの下に仕込んでいた律ちゃんの顔でかプリントTシャツを顕にしたり、サイリウムの確認を行うなど次々に臨戦態勢を整えていく。

この時点で既にテンションが上がっていたのか、カミーユさんなどは既にパフォーマンスの予行を行なっていた。
なにせ、気分が高ぶりすぎて飛び跳ねた結果天井に手をぶつけるほどだったのだ。


その後から来た人々も負けてはいない。

ベースを抱えて馬のお面をかぶる「澪の外の人」
弾帯を担ぐランボーよろしくサイリウムを担ぐ人
自作した専用袋にて、澪のデカぐるみを持参する人

などなど…


各々の士気は上々。

かような人々がこの場を盛り上げてくれるのだから、つまらなくなるはずがない!
と、そう感じたのだった。


開演30分前


いよいよ開場時間。
入場特典として配られた「ヨーロッパ」の紙を片手にそそくさと入場し、最前列をキープ。



そして、人が座るよりも先に彼女たちが最前列に鎮座するのである。



その後すぐ他の人が持ってきたムギのデカぐるみも合流。


かくして五人のデカぐるみが今ここに揃ったのである。



それを撮影しようと当然できる人だかり。
ただ、横に長いにもかかわらず撮影場所に奥行きがないため、撮影は至難の業。



そのためか、誰ともなくスクリーン前の舞台に上がりはじめ、最終的にはほぼ全員がそこで撮影をし始めたのである。


それだけではない、スタッフの人が用意した唯と梓のパネル等、とにかくいろんなモノが舞台の前に集められた。


これらは上映中もそのままそこに置いてあったのだが、唯一澪と律のデカぐるみはスクリーンを挟むようにスクリーン前の舞台の端に一体づつ置かれたのだった。



それらの撮影会がひとしきり終わったところで、これから始まることへの期待をゆっくり高めていくような事をするような甘さは、やはり彼らにはない。
サイリウムの数や位置の確認などの準備も行うし、予行演習とばかりに会場に流れていたBGMで既に軽く打ち始めているのだ。



そして映画上映の五分ほど前、カミーユさんが客席に向かって
「初めて映画を見る人ってどれぐらいいますかー?」
と手を上げながら質問。


これに対し数人がパラパラと手を挙げる。


これはネタバレコールをしても良いかどうかの確認のためなのだが、それにしても初めて見るけいおん!の映画がこれでよかったのかどうか。
真相は手を上げた人々にしか、わからないのである。



上映開始

本編上映前


ここからは撮影禁止のためオールテキスト。



スタッフさんによる諸注意の後、場内がスウッと暗くなり、まわりのテンションがはじめるのを今か今かと待ち構え。

映画の前日譚である「計画!」の映像を背景にCagayake!GIRLS が流れ始めると、最前列は待ってましたと言わんばかりに椅子から飛び上がり、景気付けとばかりにサイリウムを叩きつけ、光らせ、踊る、振るう、飛び跳ねる!

本編の上映なんて待っていられない、曲が流れればそこで打ち始めるのだ!とばかりに最前列は早くも荒ぶっていた。

それに呼応するかのように、後ろの方でもサイリウムかきらびやかに光り始める。


そうしてPVの上映が終われば本来は予告編を流す所なのだが、今回は他映画の予告編はオールカット。
しょっぱなからかの有名な映画泥棒が流れ始めた。

巧みなダンスにをする彼に、惜しみないコールが送られる。

ただ、違法ダウンロードの件になると、場内はいきなりシンとなる。
理由は[お察しください]



そうした静寂を抜け、松竹のロゴが流れると「ショーチク!!ショーチク!!
TBSのロゴが流れると「TBS!TBS!TBS!」
京アニのロゴが流れると京アニ京アニ京アニ!」
と、会社名の大コール。


そうして本編が始まるのだった。


本編上映開始(以下箇条書き・ネタバレあり・時系列はあやふや、特に帰国後)


初っ端から各キャラへのラブコールもそこそこに、いきなりデスデビルごっこ
激しい音楽に合わせて打ちまくる!
最後は当然「スカイハーイ!」を叫ぶ。


あずにゃんが部室に入ってきてからはサイリウムをドラムスティックに見立て唯の頬をつついたり叩いたり。
同時進行で「唯のくせに唯のくせに唯のくせに!」「ちゃんちゃらおかしいわね!」などのセリフ再現も忘れない。


バウムクーヘンを開けるシーンでは、他のキャラそっちのけで会場全体から「頑張れ、頑張れ!」コール。
ちなみに、あのバウムクーヘンの封は「アロンアルファでくっつけられてるんじゃねーの?」と、もっぱらの噂である。

もちろん、あずにゃんがはさみを渡そうとした時の「いえーい!」コールも忘れない。


ごみ捨てのシーンでカミーユさんが律っちゃんのゴミを見て「全部きらら!」


平沢家に切り替わる夜のカットで「よるほー!」


憂が出てきたらもちろん憂へのラブコールがバンバン飛び交う。

それだけではなく、唯が手遊びしていたみかんに対しても「浮いた!」「みかんそこ変われ!」「俺はみかんになりたい!」などの熱いコール。


卒業旅行の話が出る教室のシーンでは「姫子〜!姫子姫子オオオ!」「のぶ代オオオオ!」など、各モブキャラへラブコールの嵐。その中でも目立っていたのがこの二人だった。

ちなみに、和はこのとき映画に初登場したはずだが、彼女へのラブコールはなかった。なんということだ。


部室のシーンで澤ちゃんが出てくると「さわちゃーん!」とさわちゃんコール。
留年の下りのセリフ、手つきの再現もしっかり最前列で行なっていた。
無論、行き先を決める際の「ハワイ!」「温泉」等の手つき再現もしっかりと。


あみだくじで唯が逃げて倒れるシーンで「俺が受け止めてやるぜ!」とばかりに最前列で手を広げて唯を待ち構える立川経験者達。


入場特典を利用し、会場内ほぼ全員で「ヨーロッパ」


トンちゃんが行き先を決めるシーンでトンちゃんコールと「見えた!」
そして、誰からともなく「ざわ…ざわ…」

決まった後はもちろん澪のセリフや手を叩く動きを立川経験者達が華麗に再現


倒れるムスタングを受け止めようとするシーンも再現。
そして、申し合わせたかのごとく、「曲」「芸!」というコール。


あずにゃんが下校するシーンで「松ヶ崎!松ヶ崎!」
さすがに皆知っていた。


オカルト研がネッシーの件で吹くシーンで前列を中心に「プークスクスw」


準備をするシーンでは「お母さぁぁぁん!」とお母さんコール。
お父さんが出てきたら「お父さん娘さんを僕にください!」

もはや決まり文句である。

卒業旅行

旅立つ日の朝、修学院駅が出てくるシーンではもちろん「修学院!修学院!」
出町柳が出てきた時には「出町柳!」なのだが、「修学院」と言っている人がいた。


成田の歩く歩道のシーンで、最前列組がサイリウムをマイクに見立てて「噂の彼とはどうなっているんですか!」と作中のシーンを再現。
このシーンのムギが個人的に一押し。



離陸シーンでサイリウムを両手で持ち、手を広げてブーンして離陸を再現。
言うまでもないが立川経験者達である。



機内食を選ぶシーンで唯と梓が「チキンorビーフ?」と練習していたのに、洋食か和食か聞いてきたCAに対し「空気よめよ!」


寝てるシーンで前髪下ろしてる律ちゃんが映る度ごとに「おかしくねーし!」コール。


飛行経路が出てきた瞬間に「寒いな!」
ちなみにこの時ディスプレイに写っていた外気温は-64度、たしかに寒い。


唯が目覚めて窓の外を開けようとするシーンで「窓の外に俺がいるよ!」とカミーユさん。

ロンドン1日目


ヒースローに付いてからはじめに出てくるおばあちゃんに「ハロー!」
税関のサイドビジネス!」「イエスアイムセブンティーン」
空港を出てからの「ロンドンの空!ロンドンのタクシー!」のセリフ再現
特に後者は律ちゃんや唯の動きまでサイリウム片手に完全再現。


澪が荷物をなくしたと思ってうろたえるシーンで、荷物を見つけた瞬間に「すり替えておいたのさ!」


ドアを開けてくれたタクシーの運転手に対し「イギリス人マジ紳士!」
そして、タクシーが急発信した時にムギの太ももに倒れた唯に対し「唯そこ変われ!」「クンカクンカスハースハー!」

そう、運転手同様ここにいる彼らもまた紳士なのである。ベクトルは違うが。


ホテルについてタクシー酔いした唯を見て「僕が受け止めてあげるよ!」とばかりにビニール袋を広げ待ち構えるカミーユさん。



地下鉄のシーン再現で最前列組がぬいぐるみを持って走りまわる。本日一回目。



寿司屋蘭鋳でのライブシーン
「カレーのちライス」が流れ始めた瞬間椅子から飛び上がりやおら打ち始める!



ホテルについて唯と梓が部屋に入って、唯が梓に擦り寄った瞬間
「頑張れ!すぐそこだ!」「押し倒せ!押し倒せ!」「どうしてそこで諦めるんだよ!」


唯が変圧器を使わず直にコンセントを指すシーンで「やめろぉぉぉ!」コール。


ノートに書かれた「あずにゃんLOVE」の文字を見て「フゥー!」というアメリカンなコール


二人が寝ようとしてるシーンで「俺今ベッドの下にいるよ!」
声の主はもちろんカミーユさんである。

ロンドン2日目

翌朝、ロンドン巡りのシーンで「運命はエンドレス」が流れると同時にサイリウムうち乱れ。


アフタヌーンティーをしようとして追い出されたシーンで「実際には店潰れましたぁ、ザマァァァァ!」というメシウマコール。


ホテルにて護身術を発動されたシーンで唯がぶっ倒れるところをカミーユさんが再現。

サイリウムで叩かれるオチつき。


ホテルに帰って、あずにゃんがアメを拾うシーンで「見えた!」


眠ろうとしているシーンで「今俺ベランダにいるよ!寒いから早く入れてよ!」
言うまでもなくカミーユさんである。


ロンドン3日目


唯に合わせて会場全体で「あずにゃんにゃんにゃん♪」の合唱。
当然「リサイクルオンリー♪」も。



唯がアレに手を突っ込んだ後逃げまわるシーンで最前列組が前をワァーっと走りまわる。本日二度目。



オファーの電話を返信するシーンで、最前列組がサイリウム片手にそのシーンを再現。
なお、一人出遅れた模様。


ホテルに帰って「ごはんはおかず」の英訳をしている時の「not so much A as B」の上に「ノットソーマッチ エーあずにゃん!」と被せコール。


二人が寝ようとしているときに「今俺天井にいるよ♪」
もはや言わずもがなかもしれないが、カミーユさんである。


ロンドン最終日


ジャパンエキスポの会場に政宗コスのおっさんが出た瞬間「筆頭!」「奥州筆頭!」コール。
元ネタはもちろん戦国BASARA


ラブクライシスが出てきた瞬間「ラブクライシス!ラブクライシス!」
ブラックフリルが出てきた瞬間も「ブラックフリル!ブラックフリル!」


さわちゃんが出てくるシーンでは唯がプラグを刺そうとしてる辺りから「来るぞ来るぞ・・・」と期待を高め、登場した瞬間「うぉぉー!さわちゃあぁぁん!」という大絶叫。


忍者コスの和、憂、純が出てくるシーンで「のどかぁぁぁぁ!」「憂ちゃぁぁぁぁ!」「ジュン、ジュワァァァ!」


ライブシーンでは当然のごとく打ちまくる。本日二度目の「ごはんはおかず」
立川経験者たちに言わせると、この曲が一番しんどいのだそう。

そして終わった瞬間、鳥が飛ぶシーンでこれまた本日二度目の「スカイハァーイ!」


飛行機が飛びだってビッグベンが映るシーンで「ロンドンありがとう!」コール


帰国後


和にお土産を渡すシーンで和コール。


教室のシーンではモブキャラコール(主にのぶ代)
職員室にて卒業ライブの話を持ちかけているときに堀込先生が登場した瞬間「ヅーラ!ヅーラ!」コール。


あずにゃんに卒業ライブを伝えに行く前のシーンで「ジュン、ジュワァァァ!」と、ハサミの「いえーい!」コールがもれなく行われる。


卒業ライブ「五月雨20ラブ」で再び打ちまくり。


唯の「最後の曲ですが〜」の所で観客一斉に「え〜!!」コール


職員室シーン(最前列少休止中)では、堀込先生登場のたびに「ヅーラ!ヅーラ!」コール。


ライブの後、あずにゃんへの曲ができたよ、と雪に聴かせるシーンで、ムギちゃんが表情を変えた瞬間「どやぁぁぁ」の声が。
それに遅れて会場が押し殺したような笑い声に包まれる。


澪と律が一つづつイヤホンをはめた瞬間「お前ら結婚しろ!」コール


下校途中のシーンで「ローソーン!」
ちなみにこのシーンでは小さくローソンが写っているのだが、中々気づきにくいので恐らく複数回見た人でないと理解できないと思われる。


卓球のシーンにて、憂のカウントする指を最前列の人がサイリウムで再現。


「天使にふれたよ」の歌詞を考えてる時に、「すてーきなーきーみにー♪」と、唯に合わせて合唱。

もちろん「すてーきなーこねーこにー♪」も。


屋上で走るシーンで当然のごとく最前列組が端から端まで走りまわる。本日三回目


あずにゃんが手紙を書いているシーンで「俺にくれぇぇぇぇ」
間髪入れずに「だが断る」と言う完璧な連携。


屋上で座っているシーンでうちわを扇ぎ、「神風こぉぉぉぉぉい!」
当然こなかった。


唯が「天使にふれたよ」の歌詞を思いついた瞬間に、「その時唯に電流走る…っ!」


唯が指で三角形を作って空を覗き込んだ瞬間カミーユさんが「オージービーフ!」
そして本日三度目の「スカイハーイ!」


あずにゃんへ「天使にふれたよ」をプレゼントしているシーンではさすがにサイリウムは荒ぶらず、右へ左へゆったり流れる。


演奏が終わった瞬間口パクに被せ「あんまりうまくないですね!」コール


最後の走りだすシーンで当然のごとく最前列も走りだす、本日4回目。


「おしまい」の文字のあと「Singing!」が流れ始めた瞬間に再び景気よくサイリウムを叩きつけハイパー打込みタイム開始。

これが最後とばかりにサイリウムを振るいまくる!

曲調が激しいので動きも激しい。個人的にはこの辺で息も絶え絶えに…


そして最後に監督の名前がクレジットされ「監督アリガトォー!」の大絶叫の中で〆られた。


上映後



上映後はぬいぐるみやハッピを前に集めての撮影会と連絡先交換会が始まった。

本当はもう少し余韻に浸っていたかったのだが、映画館だから次の上映がある。

そのため、入り口に立っていた支配人の方と固い握手を交わしてから劇場を後にした。


その後は、カミーユさんをお見送りし、現場で知り合った人々と話をしつつアニメイトに行ったりなどしてから帰宅。




今回のイベントで感じたのは遠征組の士気の高さと会場にいた人のけいおん!愛の深さ。


そりゃあ、福山まで遠征に来るぐらいですから生半可なものではないでしょう。
自分も地元参加の一人として頑張ってついていっては見たのですが、彼らのパワーにただ圧倒されるばかり。

福山と大都市圏のオタクパワーの差をまざまざと見せつけられた気分でした。


ただ、それでもけいおん!に対する愛は負けちゃいないのだ!と地元ファンとの会話でひしひしと感じた次第。


何より普段できないようなスタイルで映画を見れる、というのはやはり楽しいもの。
そういう楽しさを地元で味わえたというのは中々ない経験でした。


正直、イベント開催前は福山でこんなことやって本当にイベントが成り立つのか、という思いはありました。
が、蓋を開けてみてのこの盛り上がり。
結果として、このイベントは大成功だったのではないかと思います。



そういうわけで福山ピカデリーさん、またこういうイベントを期待してます!